殴られ屋
『殴られ屋』

登場人物

宇渡野 大木(ウドノ ダイキ)…職業、殴られ屋。殴られることで
                世界からストレスをなくすことを生きがい
                とする中年オッサン。ドM
井元 誠治(イモト セイジ)…27歳、サラリーマン。ストレスたまりまくり。
               いい歳して夢見がちな男性


   明転。舞台は井元の部屋。
   仕事で疲れ切った井元がフラフラで登場

井元「ああー、疲れたぁー…」

   布団に倒れ込む井元

井「もう駄目だ…。俺はもう駄目だ、限界だ。
  仕事が続く気がしない。続けていける気もしない。
  もう無理だ…。
  どうして毎日毎日、課長の小言を聞かなきゃならないんだ?
  何で、こんなに頑張ってるのにこんなに報われないんだ…?
  生まれて27年、彼女の一人もできねぇ!
  ちっくしょう、理不尽だぁぁぁ!!!」

   布団を殴りまくり、暴れる井元。
   誤って床を殴り、痛がる

井「いてえええ!!ちくしょう、この床!床野郎!!
  お前まで俺を否定しやがるのか!いいじゃないか、
  いつも踏まれまくってんだろ、素直に殴られろ!!」

   再び床を殴り、痛がる井元

井「…はぁ、いつまでこんな毎日が続くんだろ?
  死ぬまでか?ってか、何の為に働いてるんだ?
  それすらもよくわからん…。ああくそ、むしゃくしゃする…。
  最近ひとり言多過ぎだろ、俺…。歳かな…」

   仰向けに寝転ぶ。インターホンが鳴る

井「うるさいよー」

   再びインターホン

井「誰もいないよー」

   インターホン連打。耐えかねた井元がドアを開く

井「うるせぇって言ってんだよ!
  いないって言ってんだからとっとと…」

   ドアを開くと同時に、宇渡野が勢いよく登場

宇渡野「お困りのようですね!!」
井「うおおおおい!?」

   驚いて座りこむ井元。満面の笑みの宇渡野。
   少しの沈黙
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