デンシンバシラ


デンシンバシラ


男1 
男2


   それはある、とても暑い暑い一日の出来事。
   道路の真ん中に1本の電柱が立っている。
   作業服姿の男1が汗をふきながらやってきて、その電柱をチェックして
   持っている書類になにか書き込んでいる。

   作業の途中から、コンビニ袋を持った男2が現れ男1のすることを不審そうに見ている。
   男1は電柱に向かって声をかける。


男1  長い間、おつかれさん。


   男1は男2の視線に気づく。刺すような視線に訝りながらも軽く会釈して
   行こうとする。と、


男2  あっ!

男1  (振り向く)はい?

男2  暑いですね。

男1  夏だもんね。


   それ以上男2が何も言わないので、男1は訝りながらも行こうとする。


男2  ああっ!


   男1振り向くが、男2は何も言わない。


男1  なにかあるの?

男2  いえ、なにも。

男1  ほんと? なにか俺に用があるんじゃないの?

男2  なにもないよ。

男1  じゃ、さっきの奇声は。

男2  奇声?

男1  言ってたじゃない、ああっ!て。

男2  びっくりした。いきなり脅かさないでください。

男1  いやあんたが。まあいいや。
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