紅茶事変
「紅茶事変」

井上・・・駅員
安井・・・駅員、井上の後輩的な人
森下・・・駅員、スーツケース持ってくる人
水野・・・車内にスーツケース忘れた人


井上「あー疲れた。今日忙しすぎるんだけど」
安井「連休最終日ですからね。旅行先から帰る人多いですし」
井上「ほんと、なんで私ら祝日なのに働いてんの?」
安井「まぁまぁ、もう午後ですし、あと少し頑張りましょうよ」
   安井、かばんから午〇の紅茶を取り出し飲み始める
井上「あー、いいなぁ午〇の紅茶!」
安井「さっき買ってきたんですよ。僕、午〇の紅茶が大好きで、特に仕事の後なんかは疲れた体に紅茶の甘さが染み渡るというか」
井上「それ分かるわぁ。私も買ってこよっかな。あ、でも午〇の紅茶って利尿作用あるらしいから、あんま飲みすぎんなよ」
安井:「そうなんですか、気を付けないと」
   そこにスーツケースを持った森下がやってくる
井上「森下さん、お疲れ様です。何です?そのスーツケース」
森下「さっき車両内の確認してきたら、上の棚に置いてあったんですよ。」
安井「あー忘れ物ですか。井上さん、これどうします」
井上「とりあえず、中身確認して放送かな。まだ駅内にいるかもしれないし。ちなみに、これどの車両にありました?」
森下「3時着の東京から来た電車ですよ」
井上「30分前か、まだ居るかなぁ?まぁとりあえず、スーツケースの忘れ物があったってってことだけでも放送してくるわ」
森下「私も念のため、もう一回車両内の確認してきますね。」
   井上、森下、二人とも出ていく
安井「せっかく休憩できると思ったのに...」
   スーツケースを開け始めて
安井「はぁ喉乾いたな、ちょっと飲も。」
安井「うわ、飲みすぎた。あとちょっとしか残ってない」
   午〇の紅茶を飲み始めた安井、しかし手を滑らせスーツケースの中にこぼしてしまい、本が濡れてしまう
安井「あっ...。やばいやばいやばいっ!!こぼれたっ!って、空じゃん。待ってやばっ、本が」
安井「うわ、拭きとれない。浸みこんじゃってる。どうしよ」
   とっさにハンカチで拭きとろうとするもできず、がさごそとスーツケース内を探っていると、午〇の紅茶(未開封)がある
安井「午〇の紅茶......!でも未開封か.........」
   少し考える素振り。そして辺りをきょろきょろと見回したあと、持っている空の午〇の紅茶をそっとスーツケース中に入れる。するとそこへ井上がやってくる
井上「ただいまぁ」
安井「うわぁっっ!! お、おか、おかえりなさい」
井上「ん?何してんの」
安井「あ、いや、えっと、今から中身を確認しようと思いまして」
井上「ふーん、そうなんだ。じゃあ私こっち側見るね」
安井「は、はい……」
   こぼしてない方の中身を見始める
井上「この辺は着替えかな。あとは歯ブラシとモバイルバッテリーと、さすがに財布とかはないか。誰のか分かれば楽なんだけどな」
   安井は確認するふりをしながら
井上「あ、お土産がある。白い恋人、紅芋タルト、きびだんごにマカデミアナッツ...いや、こいつどこ行ってたんだよ」
   森下さん帰ってくる
井上「森下さん、おかえりなさい」
森下「あぁ、どうも。今は中身の確認中ですか」
井上「そうですよ」
森下「じゃあ私、安井さんの方手伝いますね」

森下「うわっ。これは...」
井上「ん?どうかしました」
森下「本が濡れて茶色く...あーこれかぁ。午〇の紅茶の蓋が開いてますね」
井上「うげ、ほんとだ。まぁまだ本だけで済んで良かったけど」
森下「...。どうしましょう、これ?」
井上「えー...。」
   そこに水野がやってくる
水野「あのっ、すみませんっ。」
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