恋出水係長の憂鬱 Mission1
~美人部下編~
恋出水係長の憂鬱
「美人部下編」


小出水しげる(係長)36歳 独身
マスター(喫茶JUN経営)
佐々木真知子(部下)



東京赤羽区にある落ち着いた喫茶店「喫茶JUN」
夕方の時間帯のせいか客は居ない。
そこへ慌てたように小出水が入店してくる。

小出水「どしよどしよ」
マスター「いらっしゃーい。」

小出水はバタバタとカウンターまで来て、鞄やら上着やらを投げ出しながら座り込む

マスター「どーしたのしげちゃん。」
小出水「どうもこうもどううしよー」

小出水、頭をかかえてジタバタしている。

マスター「落ち着いて落ち着いて。いつもアメリカンでいい?」
小出水「そそそれより水、水ちょーだい!」

マスター、水を出してやる。
小出水はコップの水を一気にあおり、大きなため息をつく。

小出水「ぶはーーーーっ」
マスター「で、コーヒーでいい?それとも何か作る?」
小出水「いや、いいの!今はいいの!」
マスター「ええ〜注文無し?」
小出水「ちがうちがう、後で、彼女が来てから。」
マスター「彼女ぉ??」

小出水、口が滑ったという顔。

小出水「いや!ちがうちがう!彼女って言ってもそういう意味じゃなく、そう!代名詞よ!只の代名詞!私!あなた!彼!彼女!ね!!邪推しないでっ!そんなっ!彼女だなんてっっ!!もうっ!マスターったら!!」
マスター「あー、あせってるぅー。何々?本命?」

マスター、ニヤニヤしている。

小出水「ほほ本命って何よ!?そんなっ競馬じゃあるまいしっ!不潔っ!!」

小出水、すごい勢いでメガネを拭き始める。

マスター「で、どんな娘?」
小出水「27歳、目がキレイ、色っぽい。」
マスター「ほほーぅ。」
小出水「ちがうちがう、そんなんじゃなの!彼女はただの同僚!!先月うちの課に配属になったの!」
マスター「うんうんそれで?」
小出水「前いた課とは畑違いだからさ、ほら僕係長じゃん?面倒見てよってことで彼女ずっと僕の下でやってんの。」
マスター「なるほどぉ?」
小出水「でもね、彼女凄いの!凄いカンがいいの!すぐ覚えるの!さらに向上心があるの!自分の意見もしっかり言えてね!なんていうか・・・その・・・・・きらっきらしてるっていうか。」
マスター「好きになっちゃった?」
小出水「そう!違う!!やっ!もうっマスターったら!!ちゃかさないでよっ!」
マスター「あははあはは。」
小出水「ほんっと違うんだって!逆なの!逆!」
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