カレヰド・ロマネチカ
~耽溺少女租界奇譚~
カレヰド・ロマネチカ
~耽溺少女租界奇譚~
【御三家を取り巻く者】
璉(レン)珠(ジュ)=コヴェントリー……女性。二十歳。本作の主人公。
鬼灯(キサラギ)……男性。二十五歳。璉珠の護衛。
緋(ヒ)燕(エン)=ディルホーン……男性。二十四歳。
眩樂々(クララ)……女性。十七歳。緋燕の護衛。
樒巳(シキミ)=アルスター……女性。二十二歳。租界の外交担当。
柊姫(ヒイラギ)……女性。二十六歳。樒巳の護衛。男装の麗人。
【軍部関係者】
仙庭(センバ)伽藍(ガラン)……男性。三十七歳。帝国陸軍対租界特別部隊司令官。
綴路(ツヅロ)昴(スバル)……男性。二十五歳。帝国陸軍対租界特別部隊小隊長。
飾璃(カザリ)/天西(ソラニシ)飾璃(カザリ)……女性。(推定)二十四歳。璉珠のスパイ/帝国陸軍対租界特別部隊員。
【租界を取り巻く者】
金雀(コスズ)=バーナード……女性。十九歳。璉珠の友人。神戸銀行頭取の娘。
凌霄(リンシャオ)……女性。十八歳。?田(ランティエン)茶館の看板娘。
【序幕】
璉珠(ナレ) 「明治三十八年、大日本帝国は日露戦争に敗北。帝政ロシアに日本が支配されることを恐れた大英帝国によって、日英同盟を口実に神戸が割譲」
「神戸は『租界(そかい)』と呼ばれ、貴族階級が支配する独自の文化が築かれた」
「しかし、第一次世界大戦後、大英帝国は事実上租界から撤退」
「そして今、その秩序が崩れようとしていた」
♪爆破音
下手側階段に綴路、飾璃、板付&ピンスポ
綴路 「爆破任務は成功だな」
飾璃 「もう人が来たみたいっす。面倒なことになる前に帰っちゃいません?」
♪人のざわめき声
綴路 「(舌打ち)行くぞ、天西(ソラニシ)」
綴路、飾璃、下手側にはける
舞台の幕が上がる
明転
璉珠、凌霄、モブ市民、板付
【第壱幕】
〈租界中心街、?田茶館前〉
凌霄 「『陵?(リョウチョウ)新報』号外配布中ネ~~~! 連続殺人事件じゃないヨ! なんと租界に帝国陸軍が進駐! これハ大波乱の予感ネ~! ア、そこの小姐(お嬢さん)、一枚いかガ?」
璉珠 「…………」
璉珠、凌霄から手渡された新聞を受け取る
凌霄、人混みの中に溶けていく
鬼灯、下手から登場
鬼灯 「お嬢様。お迎えに上がりました」
璉珠 「鬼灯(キサラギ)、遅かったじゃない。……ん、煙草の匂いがするわ。吸ってきたの?」
鬼灯 「お嬢様の前では控えるようにはしてるんですけどね」
璉珠 「いい? 私は煙草の匂いが苦手なの。だから……」
モブ市民3 「おいてめっ、『逸(はぐ)れ者』か?」
モブ市民1 「おう、本土でちょいとやらかしちまったからな、逃げてきたってわけだ」
モブ市民2 「それがここじゃあ何をしても捕まらないと来た!」
1/12
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。