アイどるちぇ!
CAST
①美夜(みや)女子高生。アイドルを目指している。
②沙織(さおり)女子高生。美夜の親友。美夜の夢を応援しているが、実は自分もアイドルを目指している。
③美夜の父親 46歳。シングルファザー。下の名前はミノル。
セット→ 美夜の家のリビング。ダイニングテーブルと椅子。3人の座る位置はご自由に。
開演
美夜と沙織 座っている。
美夜「じゃあじゃあ、お父さんがトイレから戻ってきたら話を切り出すからね。そのあとは、練習したときの流れでお願い!」
沙織「おっけー。ばっちり上手くやるから安心して任せなさい。」
美夜「ほんっと沙織がいてくれて心強いよー。あたしひとりじゃ、絶対に説得できないもん。」
沙織「そりゃあ、娘が突然「アイドルになりたい!」って言い出したら「は!?」ってなるよ。今までそういう話をしてないんだし。」
美夜「だよねえ。なんかさー、離婚してから毎日仕事が忙しそうで、話せる雰囲気じゃなかったんだよね。本当は色々相談したかったんだけど…。」
沙織「ーーそっか…。」
美夜「(空気を変えるように)あ、でもね。そんな仕事一筋のお父さんに、最近良い人が出来たみたいなんだよ。」
沙織「えー!?うっそー!」
美夜「しーー!ちょっと聞こえちゃうっ。」
沙織「ごめん、ごめん。」
美夜「真夜中にコソコソ電話なんてしちゃってさ。あたしも高校生になったことだしさ、そろそろ再婚?も考えているんじゃないかなぁ。」
沙織「……美夜は、それでいいの?」
美夜「いいも何も大賛成だってば。ずーっと男手一つで育ててくれたんだもん。そろそろ自分の幸せを掴んでほしいよ。」
父親 トイレから戻ってくる。
ふたりともハッとして、姿勢を正す。
父親「はぁ……。」
なぜか神妙な顔をしている父親。
美夜「……どうしたの?」
父親「ーーふたりとも。今から、すごいことを言ってもいいか。」
沙織「……ど、どうぞ?」
父親「この世のものとは思えない、でっかいウンコが出た。」
父親 ピース。
美夜「最悪!!」
沙織「ピースやめぃ!」
父親「めちゃくちゃファブリーズしたけど、怖いからあと15分くらいは入らないでほしい。出来れば、下の階の山田さんにトイレ借りてほしい。」
美夜「だから、こんなに時間かかってたのか…。」
父親 着席。
父親「いやー、久しぶりにお腹の中がすっきりしたー。(一口、お茶を飲む)それにしても、2人がうちで遊ぶなんて珍しいじゃないか。いつもは隣町のショッピングモールに行っているのに。」
美夜「ああ、ーーうん。」
沙織「ちょっと、ね。」
父親「なんだよ、目配せなんかして〜。」
美夜「コホン。……あたしね、お父さんに話さなきゃいけない大切なことがあるんだ。」
父親「お、おう…。そうなのか?」
美夜「(一息 置いてから)
お父さん。
あたし、『アイドルになりたい』の!」
シーンとなる。
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