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コールセンターの鈴木さんとVtuberの佐藤さん

コールセンターの鈴木さんとVtuberの佐藤さん

鈴木　電話営業、男
佐藤　Vtuberキビィ、女
迫水　佐藤のストーカー、男
係長　鈴木の上司、どちらでも

警察　警察、上司
警察　警察、部下

　会社のオフィス。
　社内には机があり、その上にはパソコンと固定電話、固定電話にはヘッドセットが付いている。
　係長と、鈴木がオフィスに入ってくる。
　係長が朝礼を行い、鈴木は机に座りヘッドセットを構え、パソコンを操作する。
　その後何度か電話をかけ、そのたびに断られる。

―――――。

　佐藤の部屋。
　部屋の中心にごついパソコンが置いてある机、佐藤はパソコンにつながったコントローラーを操作しながらゲームの実況を行っている。
　一区切りがついたのか、佐藤はゲーム実況を切り上げ、ヘッドセットを外す。
　佐藤のスマートフォンが鳴る。
　鈴木からの電話がつながる。

鈴木　お忙しいところ失礼いたします。大東海（だいとうかい）不動産の鈴木と申します。
　　　恐れ入りますが、佐藤様の携帯電話でお間違いないでしょうか？
佐藤　え、あ、えっと、ちょっと待ってもらっていいですか？
鈴木　はい

　佐藤、一度保留にする。

佐藤　これは営業電話って奴よね……こんな時代錯誤なことってまだあったんだ。
　　　しかし、これはチャンスかもしれない。私がVtuberだって匂わせてSNSで拡散されれば、チャンネル登録者数が増えるかも。
　　　ふ、ふふ……！　もし何もなくても、相手は赤の他人、私には何もダメージは無い！

　佐藤、保留を切る。

佐藤　ちょっぴりビターなお砂糖妖精、キビィだよ☆
鈴木　は、はぁ……？　ところで、この度お電話させていただいた用件ですが、えっと、キビさん？
佐藤　……ごめんなさい。佐藤です。ちょっと忙しいので切っていいですか？
鈴木　失礼しました。でしたらまた後日お電話いたしますので、よろしくお願いします。
佐藤　え、あ、ハイ。

　電話が切れる

佐藤　う、うわあああああああああ！？　めっちゃ恥ずかしいいいいいい！！
　　　……い、いやいや、マテマテ、所詮は赤の他人。大丈夫、大丈夫。
　　　そろそろ大学行こ。

　佐藤が鞄を背負い部屋から出ていく。

―――――――

　鈴木がパソコンを操作し、ヘッドセットを外す。

係長　鈴木君、最後なんか変なお客さんだったね
鈴木　はい、なんでしたっけブイチューバーって名乗ってましたね。
係長　ブイチューバーねぇ、娘も見てるよ、私は楽しさわからないけどね。
鈴木　係長。娘さんいたのですね。
係長　君、もう少し上司やお客さんのこと、知りえた情報は覚えておくといいよ。活用して次の会話に生かせばなお良し。

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