教師と生徒の珍問答
『教師と生徒の珍問答』
 : 
先生:「田中。」
田中:「はい。」
先生:「なんで今日、残ってもらったか、わかるか?」
田中:「いえ。」
先生:「そうか。」
田中:「はい。なんなんすか?」
先生:「・・・あのな。」
田中:「はい。」
先生:「お前の進路のことなんだが。」
田中:「はい。」
先生:「この、進路希望の紙。」
田中:「はい。」
先生:「これ・・・、本気か?」
田中:「はい?」
先生:「・・・だから、これ、本気で書いた?」
田中:「本気ですけど、何か?」
先生:「・・・あ、いや、今までこんなこと書いたやついなかったんでな。
先生: うん。先生も正直戸惑ってる。」
田中:「そうなんですか?」
先生:「ああ。ほとんどのやつが大学進学とか専門学校行くとか就職するとか書いてるんだが・・・。」
田中:「え?僕も就職じゃないですか。」
先生:「まあ・・・、そうだな。確かに就職ではあるな。」
田中:「え?就職以外の何に見えるんですか?」
先生:「いや、確かにそうなんだが。ちょっと、みんなと違っててな。」
田中:「違う?何が違うんですか?」
先生:「うん。あのね。」
田中:「はい。」
先生:「これ、メイド喫茶店長って・・・。」
田中:「はい。」
先生:「え?本気?」
田中:「え?何がおかしいんですか?」
先生:「いや、おかしくはない・・・、うん、おかしくはないんだけど・・・。」
田中:「なんですか?」
先生:「いや、今までいなかったからさ。そういうやつ。」
田中:「そうなんですか?」
先生:「うん。」
田中:「パイオニアってことですか?」
先生:「そんなにカッコいいものじゃないけどね。」
田中:「俺の後に続く者たちのため、精一杯頑張ります。」
先生:「うん。そのやる気は素晴らしいと思うんだけど。」
田中:「はい。」
先生:「なんで、メイド喫茶なのかな?」
田中:「好きだからです!」
先生:「・・・え?」
田中:「メイドが、そしてメイド喫茶が好きだからです!」
先生:「・・・そうか。」
田中:「はい!ついでに猫耳も大好きです!
田中: なので、猫耳メイド喫茶にしたいと思ってます!」
先生:「そうか。」
田中:「はい!」
先生:「・・・え~と、そういうお店があるってことなのね?」
田中:「はい!あります!」
先生:「そのお店に、店長として就職するってこと?」
田中:「違います。」
先生:「え?」
田中:「違いますよ。」
先生:「違うの?」
田中:「はい。」
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