緋蜜蜂が飛んでいく
緋蜜蜂が飛んでいく
作・なかまくら
平成二十年十月六日
総長・・・・・・秘密結社の社長。野村さん(仮名)
山根・・・・・・総長の右腕。働いております。
斉藤ゆみ子・・・・・・二三歳、独身。妹のゆき子と父の仇を探している。
中年の男・ヒーロー1・・・・・・ゆみ子の殺したい人。苗字は斉藤。
謎のヒーロー・ヒーロー2・・・秘密結社のヒーロー(女)。苗字は真田。
猿渡・ヒーロー3・・・・・・・・・爆弾魔。ゆみ子の父を付け狙う。
エキストラ
男(キャスト的に無理なら、総長と兼役)
若い女?@ すいませーん・・・
とあるオフィスビルの一室。
ドアから顔を覗かせる若い女。しかし部屋の中には誰もいない。
壁には『一日一善』と書かれた張り紙があった。
若い女?@ お邪魔しまーす。
男 お!
若い女?@ お!?・・・お邪魔します
男 ようこそ。きみ・・・ここがどういうところか、分かっているんだろうね?
若い女?@ わ、分かっているつもりです!(声を潜めて)秘密・・・結社ですよね
男 そうか。そこまで知られてしまったなら・・・ただで帰すわけには行かないな・・・・・・。
女 総長!何言ってるんですか、そんなこと言ったら・・・
男 社長と呼んでくださいといつも言っているだろう!
若い女?@ ・・・呼んで、ください?
総長 ・・・ゴホン。それよりも!山根さん、お茶は淹れてくれたんだろうね。
女 もちろんです。はい、紅茶です。熱いので気をつけてくださいね。
若い女?@ あ、ありがとうございます。それで、あの・・・
総長 そうだね。ここにたどり着いたからには、我が社の秘密を少しだけ教えてあげよう。
若い女?@ よろしくお願いします!
総長 よろしい。まず、我が社の工作員だが・・・その数はゆうに十万を超えているのだ!
若い女?@ えええっ!
山根 その嘘、もう辞めませんか?
若い女?@ あ、嘘なんですか。
総長 いや、嘘じゃない。たしかにしっかり会員数は十万を超えている。
山根 パソコンでボタンをクリックしただけで会員になるやつですけどね!
若い女?@ クリック詐欺じゃないですか!
山根 そうなの、うちの総長、ホンっト意味わかんないことにお金つぎこんでるの
総長 そんなことないぞ!我々の活動をメルマガで配信することで、やがて日本国民は我が社に同調していくことになる。そしてゆくゆくは、我が社こそが日本政府と呼ばれるようになるのだよ。君にわかるかな?この素晴らしい計画が。
若い女?@ も、もちろんです!・・・・・・失礼ですが・・・これ、面接ですよね?
山根 ・・・・・・
総長 いつから・・・気付いていた?
若い女?@ そうですね・・・たぶん先ほど咳払いをしたときです。なんとなくですが、山根さんの雰囲気が変わりましたので、あるいは・・・と。
総長 そうか・・・・・・じゃあ、そういうことにしようかな。
若い女?@ え!?
総長 いいですよね、山根さん?
山根 ええ、構いませんよ。ええと、あなた、まさかとは思うけれど、履歴書を書いたりしてないわよね?
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