華の大江戸見聞録
華の大江戸見聞録
=CAST=
相模 庵慈(さがみあんじ)……………用心棒のリーダー。己の刀に全てをかける熱血男。でも先端恐怖症
柴田 義秋(しばたよしあき)…………用心棒の一人。ノリが軽い、と言うか頭も軽い。自称癒系のボケ担当
我妻 宗太郎(あがつまそうたろう)…用心棒の一人。生真面目で時間にはうるさい。半潔癖症
今成 藤次郎(いまなりとうじろう)…用心棒の一人。お姉系オカマ。刀を抜くと一度豹変
徳川 家康(とくがわいえやす)………言わずと知れた江戸幕府初代将軍。本作では温和なお方
本多 正信(ほんだまさのぶ)…………家康の傍に居る扈従。忠義はあつい。胃痛持ち
八重(やえ)………………………………忍(くノ一)。やはり職業のせい男勝り。普段は茶屋で情報収集
お満(みつ)………………………………庵慈達のたまり場である茶屋の看板娘。スマイルは0円です
お多恵(たえ)……………………………茶屋で働く女の子。これまた強気系
お綾(あや)………………………………茶屋で働く女の子。おとなしい系
鬼頭 五佐衛門(きとうござえもん)…野郎共をまとめるコソドロの頭。卑怯・汚いの象徴みたいな奴
安重(やすしげ)…………………………五佐衛門の子分。ゴリラっぽい外見にたまに悩んでいる
成松(なりまつ)…………………………五佐衛門の子分。鬼頭からもらった着物を一張羅としている
三瓶(さんぺい)…………………………五佐衛門の子分。三人の中では比較的まとも
その他エキストラ多数
<1>
舞台上に庵慈が立っている
庵慈 時は今より400年も昔。徳川家初代将軍家康が、関が原の戦いで勝利を占め、1603年、江戸に幕府を開き徳川時代の幕開けとなった。
これは、そんな華の大江戸で起きた、ちょっとしたお話である―――……。申し遅れた。拙者名を相模庵慈と申す。
拙者この江戸の町にて仲間と共に用心棒稼業をしているのだが、実は今困った事になっている。
義秋、宗太郎、藤次郎が走りこんでくる
義秋 庵慈!! 捕まえたか!?
庵慈 す、すまない……逃げられてしまった……
義秋 逃げられた!? あちゃ〜。こら困った事になったもんや
宗太郎 全く。誰のせいでこうなったのか(藤次郎を見る)
藤次郎 あら何? あたしのせいだっての?
宗太郎 そうは言ってませんよ。ただ、あの時あなたがしっかりいればこんな事にはならなかったのにな、と思っただけです
藤次郎 それって遠回しにあたしのせいだって言ってんじゃないの!
義秋 おいおい、こんな時にモメんなって
庵慈 義秋の言う通りだぞ、宗太郎、藤次郎。今はそれどころでは無い!
義秋 偉そうに言うてるけど、庵慈、元はといえばお前のせいかもな
庵慈 何!?
義秋 お前が昼間、うっかりあれを持って帰って来んかったら……
藤次郎 そうよ、庵慈。あんたが悪いのよ! よかった! あたしのせいじゃないわぁ!
宗太郎 兎に角、どうするんです? 庵慈
庵慈 う……! し、仕方ない……。敵を見失った今、これ以上の深追いは無用……。ここは一旦引き返して、殿に謝る!
宗太郎 謝るって……許してくれますかねぇ? お館様
義秋 せやなぁ……昼間、お館様ものごっつ必死やったもんなぁ
藤次郎 久々に怖かったものねぇ。よっぽど大切な物なのね。アレ
庵慈 あ、あまりそう言わないでくれ・・・。拙者が悪いのは百も承知だ。ここまで追い詰めたのに奴らを逃がした拙者は用心棒失格でござる。
だがな、だがな!! 奴ら揃いも揃って刀の先を、拙者に! 拙者に向けたんだぞ!?
用心棒 庵慈……
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